アニメーション制作において,アニメータは常に複雑な外見やディテールを持つキャラクターのための高品質な変形システムを開発するため,多大な時間と労力を費やしている.本研究では,スキニングと微調整の繰り返しに費やす時間を削減するため,高品質なスキニングを施したキャラクタのメッシュの既存のグラフ情報をもとに,新しいキャラクタの変形を自動的に計算するエンドツーエンドのアプローチを提案する.メッシュ変形を線形部分と非線形部分の組み合わせとして捉える考え方を採用し,複雑な非線形変形を近似するための新しいアーキテクチャを提案する.一方で,線形の変形は単純であるため,直接計算することができるものの,正確な変形は難しい.そこで本研究では,複雑なグラフデータを扱い,非線形変形を誘導的に予測するために,グラフアテンション (GAT) ブロックを設計する.そして,膨大な量のメッシュ特徴を学習することの難しさを軽減するために,”dense module” と呼ばれる GAT ブロック間の密な接続パターンを導入している.これらの手法を用いることで,既存の十分にスキニングされたキャラクタモデルの変形特徴を,新しいモデルと共有することが可能となる.本研究では,DenseGATs のテストを行い,古典的な変形手法や他のグラフ学習ベースの戦略と比較した.実験の結果、我々のネットワークにより,学習データにないキャラクタの非線形変形を予測できることを確認した.
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論文
- Tianxing Li, Rui Shi, Takashi Kanai: “DenseGATs: A Graph-Attention-Based Network for Nonlinear Character Deformation”, ACM SIGGRAPH Symposium on Interactive 3D Graphics and Games (San Francisco, CA, 15-17 September 2020), Article No.5, May 2020.
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