本論文では,物理ベースのシミュレーションにおける衝突応答のための,DCD(離散衝突検出)を用いた統一的なプリミティブ優先フレームワークを提案する.従来の手法では,自己衝突と物体間衝突を統一的に処理する際に,エッジ・三角形およびエッジ・エッジの衝突を解決するフレームワークが十分に提供されていなかった.我々は,2つの三角形間の距離を表すスカラー関数と,その勾配を用いて衝突応答の移動方向を定義する.この手法により,計算コストを抑えつつ効果的な衝突解決を実現し,剛体や布など,あらゆる種類の変形可能な物体に対して高い堅牢性を提供する.アルゴリズムの概念は単純で,実装も容易である.PBD(Position-Based Dynamics)やXPBD(Extended PBD)を用いる場合,本手法を衝突拘束へ容易に統合できる.
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論文
- Tomoyo Kikuchi, Takashi Kanai: “A Unified Discrete Collision Framework for Triangle Primitives”, Eurographics 2025, accepted.
- Tomoyo Kikuchi, Takashi Kanai: “A Unified Approach to Collision Detection Using Signed Distances on Vertices and Edges”, ACM SIGGRAPH Symposium on Interactive 3D Graphics and Games Posters, No.3 (Philadelphia, PA, 8-10 May), 2024.
- 菊池 知世, 金井 崇: “三角形プリミティブのための効率的な衝突処理アルゴリズム”, Visual Computing 2024, 東京, 9月, No.18, 2024.