QEMメッシュ簡略化のためのアウトオブコアフレームワーク

david700

エッジ縮退処理を繰り返し行うことで簡略化を行うインコア簡略化手法は,特徴的形状を保ち,かつ,高品質な簡略化メッシュを得られる手法であることが知られている.しかしながら,処理に必要とするメモリ消費量が非常に多く,一億ポリゴンを超えるような巨大なメッシュに対して適用するのは難しい.一方で,巨大メッシュを簡略化するために用いられるアウトオブコア簡略化手法では,インコア簡略化手法と比べて簡略化の品質が十分とは言えない.
 本研究では,エッジ縮退法を用いたメッシュ簡略化に対するアウトオブコア拡張手法を提案する.限られたメモリ消費量で簡略化を行うため,まず最初に,入力となる巨大メッシュを,機械学習によって得た線形分離器によって複数の部分メッシュに分割する.次に,各部分メッシュを独立に簡略化していくが,この際に問題となる部分メッシュ間の境界は,簡略化後も自然に一致させることができる.最後に,簡略化を行った各部分メッシュを結合して巨大メッシュの簡略化メッシュを得る.
 この提案手法によって得られたアウトオブコア簡略化処理の結果が,インコア簡略化手法と同程度の品質であることを,巨大メッシュを含む複数のメッシュに適用し,既存研究との比較を行うことによって示す.

論文

  • 尾崎 弘武,京田 文人,金井 崇: “エッジ縮退法によるメッシュ簡略化のアウトオブコア拡張”,画像電子学会誌,Vol.45, No.3 (ビジュアルコンピューティング特集号), pp.318-328, 2016.
  • Hiromu Ozaki, Fumihito Kyota, Takashi Kanai: “Out-of-Core Framework for QEM-based Mesh Simplification”, Proc. 15th Eurographics Symposium on Parallel Graphics and Visualization (EGPGV 2015) (Cagliari, Sardinia, Italy, 25-26 May), pp.87-96, 2015. [Paper (PDF 5.4MB)]