爆発現象における流体シミュレーションを,爆発現象の物理的な特性を考慮して手続き的にモデリングする手法を提案する.爆発の流れ(フロー)はその急激な変化や互いの干渉といった特性により,制御が非常に困難である.本手法ではフローは制御パスで表現され,フローをこのパスに沿うように制御して生成する.ここでは,特に起爆時に生じる強い圧力の伝播やそれによる爆轟状態,及び燃料とその燃焼等の物理的な特性を考慮する.ユーザが自由にフローを指定して,ステップごとにあらかじめ密度・速度・圧力・温度場を手続き的に算出し,フローを生成することができる.この手法により,格子シミュレーションのみで得られる流体挙動を近似し,かつ物理特性を考慮しながらステップ毎に制御された爆発のフローをモデリングすることが可能となる.
ビデオ
- 追加補足ビデオ:4003 でのレンダリング例 (QuickTime, 43MB)
論文
- Genichi Kawada, Takashi Kanai: “Procedural Fluid Modeling of Explosion Phenomena Based on Physical Properties”, Proc. ACM SIGGRAPH/Eurographics Symposium on Computer Animation 2011 (Vancouver, Canada, 5-7 August 2011), pp.167-175, 2011. [Adobe PDF] [ACM DL]
- 川田 玄一, 金井 崇: “物理モデルを考慮した爆発のモデリング”, グラフィクスと CAD / Visual Computing 合同シンポジウム, 松江, 6 月, No.20, 2011.
- 川田 玄一, 金井 崇: “パスに基づく爆発シミュレーションの制御”, グラフィクスと CAD / Visual Computing 合同シンポジウム, 神奈川, 6 月, No.7, 2010.