格子法を用いた流体の計算では,見た目の細かさと計算時間はトレードオフの関係にある.この問題に対して,少ない格子数(低解像度)で計算された速度場に対して高解像度のノイズ成分や渦を付加する手法(詳細付加)が研究されてきた.しかし詳細付加された結果は,シーン中の流体全体に細かい渦が乗っており,ノイズ感の強い見た目となることがある.
本研究では,流体の空間周波数領域における運動エネルギーの分布に注目する.低解像度での運動エネルギーの周波数分布を計算し,その結果を既存の詳細付加手法に応用することを考える.これにより,流体中の適切な箇所にノイズが付加され,その結果自然な見た目になることを示す.
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論文
- Masato Ishimuroya, Takashi Kanai: “Adding Turbulence Based on Low-Resolution Cascade Ratios”, Lecture Notes in Computer Science 10072 (Proc. ISVC 2016, Part I), pp.67-76, Springer-Verlag, Heidelberg, 2016. [Paper (author’s version)][Paper (publisher’s version)]
- Masato Ishimuroya, Takashi Kanai: “Adding Visual Details Based on Low-Resolution Energy-Cascade Ratios for Smoke Simulation”, SIGGRAPH 2016 Posters (Anaheim, USA, 24-28 July 2016), Article No.16, 2016.
- 石室屋 正人,金井 崇: “低解像度のエネルギー遷移比を考慮した煙アニメーションの詳細付加”, Visual Computing / グラフィクスと CAD 合同シンポジウム, No.21, 2016.