プルームと呼ばれる爆発現象の非圧縮性のフェーズにおける浮上していく火炎や煙について,その形状や動きを制御する流体シミュレーション手法を提案する.本手法により,浮上や渦の循環といったプルームの挙動を強く特徴付ける,巻き込みと呼ばれる物理現象に基づいてプルームは生成される.ここでは,これらの挙動を特徴付ける特性(物理特性)を利用することを新たに考える.これにより,浮上速度,大きさ,渦巻く動きの強さや位置といったプルームにおける制御要素を,物理特性を用いて個別に調整することができる.本手法では,それぞれの挙動を表現する速度場によって,各挙動に対応する制御要素が調整される.各速度場をすべて組み合わせ,その速度場を格子シミュレーションに加えることで,プルームを生成することができる.本手法は,一つの統合された物理モデルに基づいてプルームを生成し,かつ,制御するという点において独自性のある手法であり,この種のモデルはこのたび初めて提案されることになる.結果として,本手法は非圧縮性のフェーズにおけるプルームを,その物理的特徴を可能な限り維持しつつ,ユーザによって制御しつつ生成することができる.
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論文
- Genichi Kawada, Takashi Kanai: “Controlling the Shape and Motion of Plumes in Explosion Simulations”, Proc. 11th Workshop on Virtual Reality Interaction and Physical Simulation (VRIPHYS 2014) (Bremen, Germany, 24-25 September), pp.69-78, 2014. [Paper (PDF 4.0MB)][Video (MP4 27.7MB)]
- 川田 玄一, 金井 崇: “巻き込み現象を考慮した爆発シミュレーションにおけるプルームの制御”, グラフィクスと CAD / Visual Computing 合同シンポジウム, 青森, 6 月, No.47, 2013.