頑健かつ高速な等角球体パラメータ化と応用

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メッシュの球体パラメータ化は,メッシュを球体に写像する技術であり,コンピュータグラフィックスや CAD/CAM 等の分野での様々な応用が期待されている.本論文では,その中でも品質の高い等角球体パラメータ化に関して,頑健でかつ高速な計算手法を提案する.本手法では,メッシュの多重解像度表現に基づき,その階層構造をパラメータ化計算に利用する.従来手法に比べて高速であり,また球体パラメータを頑健かつ安定して求めることができることを様々な実験を通じて実証する.

また,三角形メッシュ上で制御可能な曲線を定義するための一手法として,パラメトリック曲線を生成するための手法について提案する.メッシュ上の曲線は,メッシュモデリングやテクスチャマッピング,リメッシング,モーフィングなどの応用において,領域特定の境界曲線を定義するためによく用いられる.ここで定義する曲線は,厳密な曲線ではなくその区分線形近似であるが,メッシュの上に完全に乗っていることが保証される.基本的なアイデアは,直接メッシュ上に曲線を定義するかわりにその球体パラメータ上に定義することにある.曲線の計算は,球体パラメータ上に指定された制御点だけを用いて行われ,メッシュの頂点数に依存しない.これより,密なメッシュにおいてもインタラクティブな曲線の生成・編集が可能である.

論文

  • 金井 崇: “メッシュ上への制御可能な曲線生成手法”, 情報処理学会論文誌, Vol.47, No.3, pp.980-988, 2006.
  • 金井 崇: “頑健かつ高速な等角球体パラメータ化計算手法”, 情報処理学会論文誌, Vol.46, No.2, pp.649-657, 2005.
  • Takashi Kanai: “Parametric Curves on Meshes”, Proc. 3rd International Conference on Computer Graphics and Interactive Techniques in Australasia and Southeast Asia (GRAPHITE 2005) (Dunedin, New Zealand, 30 November – 2 December 2005), pp.413-416, ACM Press, NY, 2005. [pdf (Adboe PDF) (2.8MB)]
  • Takashi Kanai: “Hierarchical Computation of Conformal Spherical Embeddings”, The 6th International Conference on Mathematical Methods for Curves and Surfaces (Tromso, Norway, 1-6 July 2004), 2004. [Presentation Slide (Adobe PDF) (1.1MB)]
  • 金井 崇: “メッシュ上のパラメトリック曲線”, グラフィクスと CAD / Visual Computing 合同シンポジウム, 東京,6 月, 論文集 pp.231-236, 2004.
  • 金井 崇: “球体パラメータ化の高速計算手法とその応用”, 画像電子学会 ビジュアルコンピューティングワークショップ 2004, 白浜, 10 月, 2004.